ロシア(ウラジオストク〜ハバロフスク)


ハバロフスクは結婚式ラッシュだった。
シベリアでウェディングドレスが着られるのはこの時期だけだから !?

  2003年6月5日 ウラジオストク〜ダリネレチェンスク 走行 440km TOTAL 792km

素朴で親切な人々 (ガソリンスタンドにて) 今日は記念すべきツーリングの第一日である。ウラジオストクから出るとき道に迷ったが、途中何度か人に道を聞きながら進んだ。トラックの運転手もバイクに乗ったスキンヘッドのロシア人ライダーも通行人もみんな親切丁寧で、時には先導して道を教えてくれる人もいたりした。
 昼食に入ったカフェでロシア語のメニューに戸惑っていると店の人が辞書を引き教えてくれる。ロシア人って実に親切な人たちだ。

 ウラジオストクからハバロフスクへ向かう道は北海道を数倍にスケールアップしたような景色が続き、時々北海道のサロベツ原野か道東の中標津あたりを走っているような錯覚におちいる。ただ、突如得体の知れないコンビナートが出てきたり、夥しい数の軍用車輌が停まっている町が出てきたりすると「あぁ、やっぱりここはロシアなんだな」と我に返ったりする。

ナターシャ、アシーシャ、ビタリア...... 今日は440kmも走ってやっと宿に入ることができた。本当は300kmくらい走ったところで宿を探したのだが、地元の人に先導してもらって辿り着いた宿では部屋が空いているのに泊めることはできないと言う。書類がどうのと言っているのが聞こえたが、たぶん外国人登録など外国人を泊めるための準備がないというのが理由らしい。
 で、本日やっと探し当てた宿はキリル文字で「キャンピング」と書かれた簡易宿。しかしこの簡易宿のレストランは地元の人の盛り場のようで夜通し音楽が流れていた。更にはウォッカを飲んで酔っぱらったロシア人が外で騒ぐ上、車が頻繁に出入りするので気になって寝られたものではない。
 夜、窓から何度もバイクを確認したが、二台のバイクは無事カバーが掛かったまま。朝になって気がついたが店の人が一晩じゅう見張っていてくれたようだ。

【みどり日記】
 朝、ホテルで偶然にも「慎重派の鈴木さん」と呼ばれていた元世界一周ライダーに会った。彼は仕事で来ているようだ。昨日見たBBSでの青山さんからの税関申告についての指摘が気になっていたので、彼のガイドに尋ねてみた。「最近、規制緩和されて、3000$以下は申告しなくて良くなったらしいですよ。」と言う。パソコンの申告も必要ないらしい。ほっとした。でも、ロシアのことだから難癖つけられるかもしれない。そのときは適当にしらばっくれよう。

 ガソリンスタンドは結構見かけたので安心していたら、キロブスキーの手前75キロくらいの区間は全くなくて焦った。途中リザーブになってしまい、初日からガス欠になったらしゃれにならないところだったが、何とかもった。

 この町で今夜は泊まろうと思ったけれど、宿が見つからない。「キャンプにしようか。」ということになり、よさそうな場所探しが始まった。弘行について行くこと延々と100キロ、2時間あまり!疲れている私は、何度も切れた。「もう、この辺にしようよ!」
 でも、弘行の目から見ると、「あの場所は人がいた、この場所は車が降りていった。」と、お気に召さないらしい。もうこの人は、このままハバロフスクまで行く気かしら? 何かと「俺の言うとおりにしろ!」と言うけれど、少しは私のことも考えてよ。

 文句言い言いついて行くと、よさそうな安宿が見つかった。ちょっと道路から降りたところだったので、私は気がつかなかったのだが、弘行はなぜわかったのだろう。弘行は「においがした。」と言う。とにかく、今までの旅でこういう勘は鋭くなったらしく、危ないとか、良さそうという「におい」を感じるらしい。確かに、弘行が選んだところはいつも間違いがない。ただ、そこへ行き着くまでに100キロ!
 初日から440キロの道のりはきつかった。

 宿にはカラオケ付きのレストランがある。そこでは、近所から飲みに来ていた2家族と知り合いになった。私たちと同年代の夫婦とその子供達。日本の絵葉書をあげたら、とても喜んでいた。奥さん達は、ウォッカをぐいぐいあけて、がんがん歌って、威勢がいい。ろれつの回らないロシア語と英語での訳のわからない会話だったけれど、楽しい一夜になった。

  2003年6月6日 ダリネレチェンスク〜ハバロフスク 走行 345km TOTAL 1,137km
美女が次々と出没して我々の行く手を阻む 今日は何度か警察の検問があった。ロシアの警官は悪どい輩が多いときいていたのだが、みどりが愛想振りまいてニコニコするものだからたちまちその場の緊張が解け、警官も友好的になるようだ。たぶん男一人で走っていたらこんな簡単には済まなかったかも。夫婦でツーリングしていると得することが多くていいねぇ。

 ハバロフスクに入ると花で飾り付けした車を頻繁に見かけるようになった。夏のシベリアは結婚式ラッシュなのか、町じゅう至るところで花嫁さんを見かけた。寒さの厳しいシベリアのこと、冬に結婚式をすると肩が出ているウェディングドレスが着られないからだろうか !?

【みどり日記】
 アスファルトの道路は、時々大穴があいているので、気が抜けない。反応の遅い私は車間距離もあけ気味になる。周りの景色も見たいので、どうしても走るスピードが遅くなる。そうすると「ちゃんとついて来いよ。」と弘行はイライラ。私もイライラ。はじめは二人の調子がつかめずけんかばかりすると聴いていたけれど、本当にそうだ。でも、二人で旅をするいい面もだんだん見えてくる。男がいるから安心できるし、女がいるから場も和む。
 工事中の砂利道は何カ所かあったけれど、オフ車ならば全く問題なし。

 ビキンで初めての検問。ドキドキするが、わざと明るく挨拶をして笑顔を向ける。警官も笑顔を返してくれたらしめたもの。パスポートチェックを受け、インビテーションを見せろと言われた。このインビテーション、本当に水戸黄門の印籠のようにどこでも効力を発揮する。これを見せただけで、何でもスムーズに通る。今年は、インビテーションをもらうのは大変だけれど、これさえもらえば、結構ロシアも楽に旅ができるのかもしれない、と今のところはそう思った。
2度目の検問は、パスポートチェックだけ。3度目は、「日本から来たのか。モスクワへ行くのか。もう行っていいよ。よい旅を!」と言われただけ。この先はこんな調子では済まないのだろうな。

 ガソリンスタンドは、はじめに適当な量を言って料金を払い、余った分はあとでお金を返してくれた。BBSでひろGSさんが教えてくれたとおりだった。オクタン価95はリッター当たり13ルーブル。

 ハバロフスクではホテルアムールに宿泊。そこのインターネットは1時間30ルーブルと、ウラジオストックよりも安かった。


みどりの食卓

ロシアの牛乳は濃い !! 
【右】ボルシチ。赤カブと肉のスープ。マヨネーズが上にかかっている。
【左】マラコー(牛乳)。脂肪分が多くておいしい。右の牛乳はまずかった。腐ってたのか?

 
【右】カルトーフェリ(ジャガイモ)。マッシュポテトの上に甘辛いソースがかかっていた。ジャガイモは、日本のご飯やパンの感覚らしい。つぶさないまま出てくることもある。
【左】シャシリク(羊の串焼き)。塩味で臭みもなく、タマネギのスライスがシャッキリとしていてよくマッチしていた。

 
ブリヌィ(クレープのようなもの)。クリームチーズが添えてある。クレープのサーモン包みなど、バリエーションもあった。

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