【家財道具の保管】
海外へ長く旅行に出かける場合、家族と一緒に住んでいれば問題ありませんが、単身または所帯を持っている人は荷物置き場に頭を悩ませます。私たちもいろいろと考えました。
●家族、友人などへ預ける。
弘行の実家は北海道なので、荷物を運ぶだけで結構な費用がかかります。私の実家も引っ越しを予定していたため、余裕がありませんでした。車は友人へ預けることを検討しましたが、当てもなかったため一台は売ってしまいました。
●不動産を買う。
土地を買って物置を建てることと、中古物件を買うことを検討してみました。結構真剣に考えて不動産屋巡りをしましたが、安くて気に入った物件はなかなか見つかりませんでした。今だけのことを考えるか、将来的なことも考えるか。旅から戻ったときに住みたい場所の価値観も変わるかもしれないので、出発前に無理をして買うことはやめました。
●アパートを借り続ける。
これが一番簡単な方法です。引っ越しの必要がなく、帰ってきてからの居場所もあるので安心です。ただ、家賃を払い続けるのは負担が大きいため、旅行の期間によって検討してみるといいと思います。
●貸倉庫、貸車庫を借りる。
貸倉庫は会社や地域によって料金体系が様々です。何度でも自由に出し入れできるところと、出し入れに料金がかかるところがあります。料金は荷物の量によりますので、できるだけ荷物を減らして借りることも検討しました。また、貸車庫の方が安いため、そこに家財道具を置くことも考えましたが、傷みや汚れが気になります。
私たちは幸い不動産屋の好意により、15畳ほどの貸事務所を安く借りることができました。荷物を減らす必要がなく、場所も近くだったため大変助かりました。念のため火災保険をかけています。その他に車やバイクの保管のため、貸車庫を一台分借りました。
●荷物を処分する。
ガレージセールをする、リサイクルショップへ売る、友人知人に譲る、などの方法で家財道具を処分していく人もいます。それでも、アルバムや洋服など身の回りの物は処分しきれませんので、それらは人に預けるか、場所を借りることになるでしょう。
【予防接種】
訪問する国によって、予防接種が必要かどうか検討します。1年がかりになる場合もありますので、海外ツーリングを計画したら予防接種にかかる期間を考慮して予定を組みましょう。
ちなみに私は、黄熱病、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病の予防接種を受けました。
●接種場所
予防接種は、病院または検疫所で行います。病院によっては扱っていない予防接種もありますので、病院選びからよく検討してください。ちなみに黄熱病は普通の病院では扱っていませんので、検疫所で接種することになります。
●接種スケジュール
予防接種には複数を同時に接種できるものと、間隔をあけるもの、複数回接種する必要があるものなどがあります。そのため、接種スケジュールを専門医に組んでもらいます。
●ワクチンの主な種類
・生ワクチン
まさに”生”ですから軽く感染させるようなものです。接種後、多少具合が悪くなる人もいますので、安静にしてください。接種後1ヶ月間は他の予防接種をすることができません。
・不活化ワクチン
3回接種すると10年くらい効力は続くようです。1回目と2回目の間は2〜4週間くらいあけ、3回目はその半年〜1年後に接種します。子供の時に2回まで接種していれば、追加の1回分を接種するだけでいい場合もありますので、よく確認してください。母子手帳に予防接種の記録がありますので、それを持参して病院へ行くといいでしょう。接種後2週間くらいは間隔をあけます。
●予防接種証明書
今までの予防接種の記録を一つにまとめた「予防接種証明書」を作成してもらうといいと思います。海外で医者にかかるときに、いろいろと参考になるようです。母子手帳に記載されている子供の頃受けた予防接種と、今回受けたものすべてを一つにまとめて記載してもらいます。予防接種を受けた病院にお願いすると作成してくれると思いますが、事前に確認したほうがいいでしょう。
●イエローカード
イエローカードとは予防接種に関する国際証明書です。今は黄熱病に対して交付されています。イエローカードがないと入国できない国がありますので、自分の行く国が必要かどうかよく調べてください。なお、必要とされてない国でも国境で要求される場合がありますので、国によっては念のため用意しておいたほうがいい場合もあります。
【ビザ】
ビザとは入国許可証のことで、パスポートに添付またはスタンプされます。旅行者の国籍によりビザが必要な国と必要ない国があります。何ヶ月間かはビザなしで滞在できるという国もあります。それらの規定は変わりやすいので、逐次最新の情報を得るようにした方がいいでしょう。
●取得場所
当該国の在外大使館又は領事館で取得します。ビザには有効期間があるため、一般的にはビザを必要とする国の大使館が置いてある近隣諸国(旅程直前国)で取得します。
●ビザ申請に必要な主なもの
・パスポート
パスポートのコピーを必要とする場合もあります。
・写真
サイズ、枚数は国によって違います。
・申請書
大使館や領事館に置いてあります。郵送申請をする場合は申請書を送ってもらいますが、ホームページから印刷できる場合もあります。
・ビザ代
ビザの種類、期間、入国回数によって料金は変わります。また、同じ国のビザでも申請場所によって変わります。
・インビテーションレターなど(必要な場合のみ)
●ビザの種類
・ツーリストビザ(観光ビザ)
一般的に旅行者が取得するビザです。
・ビジネスビザ(商用ビザ)
仕事で訪れる場合に取得するビザです。
・トランジットビザ(通過ビザ)
通過するだけのビザなので、だいたい3日間程度の短期間です。
※ロシアの場合、ツーリストビザでは全行程のホテル予約(バウチャー)が要求され、ビジネスビザではバウチャーの代わりに招待状(インビテーションレター)が要求されました。自由にツーリングをするため、私たちは例外的にビジネスビザを取得しています。
●有効期間
7日、10日、15日、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月など国によってさまざまです。
取得時にいつからいつまでと具体的にビザの有効日が決められている場合と、期限内の入国した日から有効期間が始まる場合があります。
●入国回数
旅行のコースによっては一度出国した後、再度その国に戻らなければならない場合があります。その場合は予めダブルエントリーなどを取っておくと再度ビザを取り直す必要がなくなります。
・シングルエントリービザ (一回入国可能)
・ダブルエントリービザ (二回入国可能)
・マルチプルエントリービザ (複数回入国可能)
●レター
ビザの取得に、レターが要求される場合があります。旅行者の国籍やビザの取得場所にもよりますので、よく確認してください。
・招待状(インビテーションレター)
訪問国の受け入れ先からの招待状です。個人的な招待機関がない旅行者は、旅行代理店などで招待状の手配をしてもらいます。招待状の手配はお金と時間がかかりますので結構やっかいです。
・日本大使館からの推薦状
旅行者の身元を確認するために要求される場合があります。
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